Kanpō (官報) · 22 Oct 2026 · 1 vistas
厚生労働省令第百四十九号が熊本地震被災事業主向け出向奨励金を新設
Por FactBox Admin

厚生労働省は2026年10月22日付の官報で、雇用保険法施行規則の一部を改正する厚生労働省令第百四十九号を公布した。産業雇用安定助成金に令和八年熊本地震災害特例人材確保支援コース奨励金を新設し、熊本県内で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主から出向者を受け入れる事業主への支給要件を定める内容である。省令は公布の日から施行され、改正後の規定は2026年10月1日以降の出向について適用される。
改正の根拠は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第六十二条第二項で、雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)の附則に第十五条の四の六を新設する形をとる。同条は、産業雇用安定助成金として同規則に規定するもののほか、当分の間、この奨励金を支給すると定めている。省令には厚生労働大臣 上野賢一郎が署名した。
出向元と出向先の双方に求められる支給要件
支給対象は、被災事業所を抱える側と受け入れ側の双方の要件を満たす場合に限られる。
- 出向元は、令和八年熊本地震に際し熊本県内に所在する事業所の事業主のうち、地震に伴う経済上の理由により当該事業所で急激に事業活動の縮小を余儀なくされた事業主であること。
- 出向元は、あらかじめ出向をさせた者を雇い入れる事業主(出向先事業主)と出向に関する契約を締結していること。
- 出向は、都道府県労働局長に届け出た出向計画に基づくものであること。
- 出向元は、出向した者の出向状況と賃金の負担状況を明らかにする書類を整備していること。
- 出向先が雇い入れる被保険者のうち、初回出向日の前日において継続雇用期間が六箇月未満の者、解雇を予告された被保険者等、日雇労働被保険者は対象から除かれる。
対象となる出向期間と復帰の条件
支給の対象となる出向は期間の範囲が限定されている。
- 出向期間の初日が2026年10月1日から2027年9月30日までの間にあること。
- 出向期間が一箇月以上の期間であること。
- 出向をした日から起算して一年を経過する日までの間に終了すること。
- 出向の終了後、出向元事業主の当該出向に係る事業所に復帰すること。
支給しない場合と他の規定の準用
省令は重複受給や循環的な出向を防ぐ規定も置いた。
- 出向元が、他の事業主に係る雇用の安定を図るための給付金(雇入れ促進給付金)の対象となる被保険者を出向またはあっせんにより雇い入れている場合、当該被保険者には支給しない。
- 出向先が、出向元事業所の被保険者の雇入れの際に自己の事業所の被保険者について出向をさせていた場合、または休業等・雇入れのあっせんを行っていたときは支給しない。
- 国等に対しては支給しない。
- 第百二十条の二および第百四十条の三の規定を準用し、支給額は出向先事業所の被保険者数に応じた区分(十人以上五百人未満、五百人以上)を含む枠組みで算定される。
併せて講じられた休業等の特例と旧規定の削除
同一の省令で、被災事業所の休業に対する暫定措置も改められた。新設の第十五条の四の四は、熊本県の区域内に所在する事業所で急激な事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が行う休業等について、対象期間の初日が2026年7月28日から起算して六箇月が経過する日までの間にあるものに限り、第百二条の三第二項第二号の規定を適用しないとしている。あわせて旧第十五条の四の五は削除され、条番号が整理された。
この奨励金は、被災地の事業所に在籍する被保険者の雇用を維持しながら、受け入れ側事業主の人材確保を支える仕組みである。対象となる出向の初日が2027年9月30日までに限られ、復帰と一年以内の終了が要件となるため、該当する事業主は出向計画の届出と書類の整備を早期に進める必要がある。
出典:厚生労働省令第百四十九号(雇用保険法施行規則の一部を改正する省令)、令和八年十月二十二日公布、厚生労働大臣 上野賢一郎。根拠法は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第六十二条第二項、改正対象は雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)。