Kanpō (官報) · 29 Sep 2026 · 38 vistas
水俣条約附属書Aを改正、水銀添加製品の段階的廃止期限を変更
Por FactBox Admin

政府は令和八年九月二十九日付の官報で、水銀に関する水俣条約の附属書Aの改正を公布した。外務省告示第二百九十六号として外務大臣 茂木敏充の名で告示されたもので、蛍光ランプや電池、化粧品など水銀添加製品の製造・輸入・輸出が許可されなくなる期限(段階的廃止期限)が改められる。改正は令和九年三月二十三日に効力を生ずる。
条約は平成二十五年十月十日に熊本で作成された。今回の改正は条約第二十七条3及び4の規定に従って行われ、令和八年三月二十七日付け国際連合環境計画事務局長書簡で通報された内容に基づく。告示は附属書Aの第一部(第四条1の規定の適用を受ける製品)と第二部(第四条3の規定の適用を受ける製品)の表を全面的に改めるもので、第一部は製品ごとに「製造、輸入又は輸出が許可されなくなる期限(段階的廃止期限)」を定めている。
蛍光ランプは品目ごとに二〇二六〜二七年の期限
- 一般的な照明用の直管蛍光ランプ(LFLs)のうち、電球当たりの水銀含有量が五ミリグラムを超えない六十ワット未満の三波長形蛍光体を使用したもの、同五ミリグラムを超えない六十ワット以上の三波長形蛍光体を使用したもの、同五ミリグラムを超える六十ワット以上の三波長形蛍光体を使用したものは二千二十七年。
- 水銀含有量が十ミリグラムを超えない四十ワット以下のハロリン酸系蛍光体を使用したもの、及び四十ワット超のハロリン酸系蛍光体を使用したものは二千二十六年。
- 直管以外(U字形、円形など)の蛍光ランプ(NFLs)は、三波長形蛍光体を使用したものが二千二十七年、ハロリン酸系蛍光体を使用したものが二千二十六年。
- 三十ワット超の一般的な照明用コンパクト蛍光ランプ(CFLs)と、水銀含有量が五ミリグラムを超えない三十ワット以下の点灯回路非内蔵型コンパクト蛍光ランプ(CFL-ni)は二千二十六年。
電池・化粧品・計測器にも期限
- 電池(水銀含有量二パーセント未満のボタン形亜鉛酸化銀電池及び同ボタン形空気亜鉛電池を除く)は二千二十年、同ボタン形電池は二千二十五年。
- 化粧品(水銀含有量が一質量百万分率を超えるもの。肌の美白用せっけん及びクリームを含む)は二千二十年、水銀を保存剤として使用する場合の例外を除く区分は二千二十五年。微量の水銀が混入した化粧品、せっけん又はクリームは対象としないことを意図すると注記されている。
- スイッチ及び継電器は二千二十年、極めて高い正確さの容量及び損失を測定するブリッジ並びに監視及び制御のための装置に用いる高周波無線周波数のスイッチ及び継電器(二十ミリグラム以下のもの)は二千二十五年。
- 駆除剤、殺生物剤及び局所消毒剤は二千二十年。
- 非電気式の計測器(気圧計、湿度計、圧力計、温度計、血圧計)は二千二十年、脈波計に使用されるひずみゲージは二千二十五年。
- 電気式及び電子式の計測器(溶融圧力変換器、溶融圧力伝送器及び溶融圧力感知器)は二千二十五年。
- 水銀真空ポンプ、タイヤのバランサー及びホイールのおもり、写真フィルム及び印画紙、人工衛星及び宇宙飛行体に用いる推進剤はいずれも二千二十五年。
歯科用アマルガムは二〇三四年、削減措置も明記
歯科用アマルガム(患者の必要性に基づき歯科医師がその使用が必要であると認める場合を除く)の期限は二千三十四年とされた。第二部では、歯科用アマルガムの使用を段階的に削減するための締約国の措置が列挙され、う蝕の予防及び健康の促進を目的とする国の目標の設定、水銀を含まない代替製品の使用促進、良質な材料の研究及び開発の促進、水銀を使用しない歯科治療を有利に扱う保険政策及び保険制度の抑制・奨励、使用を歯科用アマルガムカプセルに限定することなどが含まれる。
さらに、乳歯及び十五歳に達しない患者並びに妊婦及び授乳中の女性の歯科治療では、歯科用アマルガムの使用を除外し、許可せず、又は使用しないよう勧告する措置をとることが求められる。段階的廃止を終えていない締約国は、進捗状況に関する国の行動計画又は利用可能な情報に基づく報告を四年ごとに事務局へ提出することとされている。
今回の改正は、蛍光ランプや電池、化粧品、計測器、歯科材料などを製造・輸入・輸出する事業者に直接影響する。期限を過ぎた製品は製造・輸入・輸出が許可されなくなるため、事業者は品目ごとの期限を確認し、代替製品への移行を前倒しで進める必要がある。
出典: 外務省告示第二百九十六号(令和八年九月二十九日付、官報第1797号)。水銀に関する水俣条約附属書Aの改正(令和八年三月二十七日付け国際連合環境計画事務局長書簡)。