Kanpō (官報) · 02 Nov 2026 · 7 vistas
総務省、非接触給電の型式指定と設置許可の要件を明確化する省令を公布
Por FactBox Admin

総務省は十一月二日、電波法施行規則等の一部を改正する省令(総務省令第百二十六号)を総務大臣 藤井比早之名で公布した。電気自動車用・搬送ロボット用・一般用の非接触電力伝送装置と電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械について、許可を要する設備の範囲と型式指定の位置づけを整理する内容である。同じ日付の総務省告示第三百九十四号(高周波利用設備の条件の特例)が、これらの設備に適用する磁界強度などの許容値を定めた。
改正の根拠は電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第百条第一項第二号で、五〇ワットを超える高周波出力を使用する通信設備以外の設備には設置許可が必要となる。同項第一号と電波法施行規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十四号)第四十五条・第四十六条の二第一項は、総務大臣が型式について指定した設備を許可不要の扱いとする枠組みを定めており、今回の改正はこの組合せを非接触給電の各用途に当てはめ直したものだ。告示第三百九十四号は、施行規則第四十六条の二第一項・第四十六条の七第一項と無線設備規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第六十五条第一項に基づく。
許可を要しない設備の区分を用途別に再構成
改正後の第四十五条は、五〇ワットを超える高周波出力を使用する設備を原則として許可対象としたうえで、型式指定を受けたものを除外する構造に改められた。除外対象として、用途と設置条件を切り分けた次の区分が列挙されている。
- 医療用設備、超音波洗浄機・超音波加工機・超音波ウェルダー、電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械、無電極放電ランプ
- 一般用非接触電力伝送装置
- 電気自動車用非接触電力伝送装置(電気を動力源の全部または一部とする自動車に搭載された蓄電池・モーター等に給電する非接触型設備で、鉄道の線路から五メートル以上離れた位置に設置するもの)
- 搬送ロボット用非接触電力伝送装置(工場・物流拠点等で物資を搬送するロボットに搭載された蓄電池・モーター等に給電する非接触型設備)
- 一般用放射等設備(住居用建造物に給電する低圧電力系統に直接接続する施設で使用する可能性があるもの。低圧は直流七百五十ボルト以下、交流六百ボルト以下)
電気自動車用について鉄道線路からの距離を条件とした点と、搬送ロボットを「工場、物流拠点等で使用される物資を搬送するためのロボット」と定義した点が、運用上の判断基準になる。
十キロヘルツから百五十キロヘルツの磁界強度に具体的な許容値
告示第三百九十四条は、非接触電力伝送装置の十キロヘルツ以上百五十キロヘルツ以下の利用周波数による発射および不要発射の磁界強度(一マイクロアンペアを〇デシベルとする)の準尖頭値について、設置形態別の許容値を示した。
- 住居用建造物に給電する低圧電力系統に直接接続する施設で使用されるものは、設備から三メートルの距離で七十九・九デシベル
- 同施設以外で試験場において試験を行うものは、設備から十メートルの距離で四十八・五デシベル
- 同施設以外で設置場所において試験を行うものは、建築物の外壁から百メートルの距離(境界までの距離を二・五、一メガヘルツ以上は四・五で除した距離に三十メートルを加えた距離が百メートルに満たない場合はその距離)でマイナス十一・五デシベル
- 漏えい電界強度の低減技術の検証その他の実験を目的とし四百五十キロヘルツ以下の周波数を利用するものは、十メートルの距離で六十八・五デシベル
告示はあわせて、平成二十七年総務省告示第二百七号(通信設備以外の高周波利用設備の妨害波電圧などの最大許容値の特例)を廃止する。
申請様式と測定方法も同時に整備され、五年の経過措置
型式指定の実務面では、総務省告示第三百九十六号が平成十四年総務省告示第五百四十四号(高周波利用設備の型式についての指定の申請書および添付書類の様式等を定める件)を改正し、申請書に一般用・電気自動車用・搬送ロボット用の非接触電力伝送装置の別を記載する欄を設けた。測定方法は総務省告示第三百九十五号が定める。
省令の附則は、施行の際に現に設置許可を受けている通信設備以外の設備を、施行日に改正後の無線設備規則第六十五条第一項各号の条件に適合するものとみなす。電子レンジの型式条件と設置許可条件、医療機器、工業用超音波機器については、施行日から起算して五年を経過する日まで従前の例によることができる。
電気自動車のワイヤレス充電、物流倉庫の搬送ロボット、住宅設備向けの非接触給電を手がける電機・自動車・物流機器メーカーにとって、どの区分で型式指定を申請し、どの距離でどの許容値を満たす必要があるかが、製品化と設置判断の前提として整理されたことになる。既存の許可設備と電子レンジなどについては五年間の経過措置があり、切替時期の設計が実務課題となる。
出典
- 電波法施行規則等の一部を改正する省令(総務省令第百二十六号、令和八年十一月二日公布、総務大臣 藤井比早之)
- 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第百条
- 電波法施行規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十四号)第四十四条・第四十五条・第四十六条の二・第四十六条の七
- 無線設備規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第六十五条
- 高周波利用設備の条件の特例(総務省告示第三百九十四号、令和八年十一月二日)
- 高周波利用設備の測定方法に関する告示(総務省告示第三百九十五号、令和八年十一月二日)
- 高周波利用設備の型式についての指定の申請書及び添付書類の様式等を定める件の一部改正(総務省告示第三百九十六号、令和八年十一月二日)