Kanpō (官報) · 29 Oct 2026 · 5 vistas
ばら・ランタナ・大麦など品種登録十二件を取消し、育成者権は二月に消滅
Por FactBox Admin

農林水産省は令和8年10月29日付の官報で、種苗法(平成10年法律第83号)第49条第1項第5号に基づき、12件の品種登録を取り消したと公示した。公示は同条第5項の規定に基づくもので、告示は農林水産省告示第千六百三十一号から第千六百四十二号までの12件。いずれも育成者権は同条第4項第3号により、令和8年2月に消滅したものとみなされた。
ばら・ランタナ・大麦など花卉と食用作物が対象に
対象には花卉と食用作物が混在する。登録品種者には欧州・米国の海外育成企業と、長野県や東京都の公的機関・国内事業者が並ぶ。官報で確認できる登録内容は次のとおり。
- 登録番号第23824号/ランタナ(Lantana L.)「BAN WHIT」/登録は平成27年2月4日/品種登録者はSyngenta Crop Protection AG(スイス・バーゼル)/育成者権は令和8年2月3日に消滅
- 登録番号第17312号/大麦(Hordeum L.)「シルキースノウ」/登録は平成21年2月6日/品種登録者は長野県/育成者権は令和8年2月5日に消滅
- 登録番号第29543号/ばら(Rosa L.)「IPK181614」/登録は令和5年1月31日/品種登録者はInterplant Roses B.V.(オランダ・ハルメレン)/育成者権は令和8年2月7日に消滅
- 登録番号第20268号/オンシジウム(Oncidium Group)「メイフェアートリニティ」/登録は平成23年2月4日/品種登録者は株式会社東京オーキットナーセリー(東京都世田谷区)/育成者権は令和8年2月10日に消滅
- 登録番号第23810号/アベリア(Abelia R. Br.)「マルガリータ」/登録は平成27年2月4日/品種登録者はSouthern Plant Group, LLC(米国ジョージア州アトランタ)
- 登録番号第25596号/ねぎ(Allium fistulosum L.)「東京小町」/登録は平成29年2月8日/品種登録者は公益財団法人東京都農林水産振興財団(東京都立川市)
育成者権は二月に消滅し、十月の公示で事後的に明らかに
告示は取消しの根拠を種苗法第49条第1項第5号と明記し、あわせて同条第4項第3号により育成者権が消滅したものとみなされる日を個別に示した。消滅日は令和8年2月3日から同月10日にわたり、いずれも公示日である10月29日より前である。同日付の官報では、この取消し公示の直後に農林水産省告示第千六百四十三号が置かれ、種苗法第18条第1項に基づく新たな品種登録が公示されている。
増殖許諾と使用許諾の再確認が必要に
登録が消えると、育成者権に基づく増殖・譲渡の許諾や、登録品種であることを前提とした表示は根拠を失う。育苗・生産の現場では、同一名称・同一系統の種苗を扱う契約書や許諾条件の点検が必要になる。登録品種者にとっては、権利消滅後の種苗流通を把握する手段が限定されることも意味する。
とりわけ影響が大きいのは、海外育成者の品種を国内で増殖・販売してきた事業者と、公的機関が保有する地域品種を活用する生産者である。取消しは品種そのものの栽培を禁じるものではないが、育成者権を前提とした取引条件は再交渉の対象となる。行政側には、消滅みなし日と公示日の間に生じた取引について、当事者間の解釈を整理する役割が残る。
出典:官報(令和8年10月29日)農林水産省告示第千六百三十一号〜第千六百四十二号、種苗法(平成10年法律第83号)第49条、農林水産大臣武部新。