Kanpō (官報) · 09 Sep 2026 · 1 vistas
向精神薬・麻薬条約付表改正、新規合成薬物を規制対象に追加
Por FactBox Admin

外務省は令和8年9月9日付の官報で、向精神薬に関する条約と麻薬に関する単一条約の付表を改正する外務省告示第281号および第282号を公布した。これにより、国際的に乱用が拡大する新規合成薬物が規制対象に加わり、締約国は国内法に基づく取締りを強化することが求められる。
両告示は外務大臣 茂木敏充が署名したもので、いずれも国際連合事務総長書簡(令和8年5月29日付け)に基づく決定を国内に周知するものだ。向精神薬に関する条約は昭和46年(1971年)にウィーンで作成され、麻薬に関する単一条約は昭和36年(1961年)にニューヨークで作成された国際的な薬物規制の根幹をなす条約である。
向精神薬条約付表ⅡへのMDMB-FUBINACA追加
外務省告示第282号は、向精神薬に関する条約第2条の規定に従い、同条約の付表ⅡにMDMB-FUBINACA(メチル…フルオロベンジル…インダゾール…カルボニル…アミノ…ジメチルブタノアート)を追加する。付表Ⅱの番号は「六五」を「六六」とし、「四四」から「六四」までを一ずつ繰り下げ、「四三」の次に新規物質を加える形で整理された。
この決定は同条7の規定に従い、令和8年11月25日に効力を生ずる。MDMB-FUBINACAは合成カンナビノイド系の薬物で、近年欧米やアジアで乱用報告が相次いでいる。
麻薬単一条約付表Ⅰへの新規物質追加
外務省告示第281号は、千九百六十一年の麻薬に関する単一条約第3条の規定に従い、同条約の付表Ⅰに次の2物質を追加する。
- N-デスエチルエトニタゼン(二…エトキシフェニル…メチル…N-エチル…五-ニトロ…一H-ベンズイミダゾール…一-エタンアミン)— シクロプロピルフェンタニルの次に追加
- N-ピロリジノイソトニタゼン(五-ニトロ…二…四…二-プロポキシ…ベンジル…一…二…ピロリジン…一-イル…エチル…一H-ベンゾ…d…イミダゾール)— プロトニタゼンの次に追加
この決定は同条7の規定に従い、令和8年5月29日に効力を生じた。いずれもニタゼン系の強力な合成オピオイドで、フェンタニル類縁物質と並び過剰摂取による死亡事例が国際的に報告されている。
規制強化の意義と影響
付表への追加は、締約国に対し、これらの物質を国内の麻薬・向精神薬取締法の規制対象として位置づける義務を生じさせる。医薬品・化学業界は輸出入や製造・流通の管理を厳格化し、規制当局は新たな取締り基準に基づく監視を開始することになる。
- 規制対象物質の追加により、無許可の製造・輸出入・所持が処罰の対象となる
- 医療・研究用途の取扱いには厳格な許可と記録管理が求められる
- 国際的な情報共有と共同取締りが強化される
今回の改正は、合成カンナビノイドや合成オピオイドなど新規精神活性物質の拡散に対し、国際社会が条約の枠組みを通じて規制網を広げる動きの一環だ。日本国内では、これら物質の取締りが麻薬及び向精神薬取締法に基づき厳格に運用されることが見込まれる。
出典:外務省告示第281号・第282号(令和8年9月9日官報掲載、外務大臣 茂木敏充署名)。向精神薬に関する条約(1971年ウィーン)、千九百六十一年の麻薬に関する単一条約(1961年ニューヨーク)。